オリエンタル印刷株式会社
三重県津市
全社員と働く目的を共有し、意識改革と経営改善を実践。
2005年、三重県内でナンバー2の実績だった「オリエンタル印刷(現:株式会社オリエンタル)」の経営悪化に伴い、地元の金融機関から民事再生のスポンサー依頼を受けました。税金と労働債権の滞納で民事再生が難しい状況でしたが、当時の社長と金融機関からの強い希望があり民事再生にチャレンジ。最終的にオリエンタル印刷は破産しましたが、管財人の許可を得て新会社のオリエンタル印刷に事実上営業譲渡を行い、全社員を新会社で雇用し、仕事を継続させました。一部の債権者や労働組合からの抗議、地元の同業者の嫌がらせなど多くの問題が発生しましたが、その後仕掛品を完成し、債権者への支払いもできました。
当時オリエンタルには経営理念がなく、働く目的がきちんと伝わっていませんでした。全社員と面談を繰り返し、毎日朝礼で経営理念の唱和を行うことで、働く目的を全社員が共有。社員の意識改革が進み、労働組合も自主解散し、黒字経営に転換できるようになりました。五年ぶりにボーナスを支給し、全社員のモチベーションも高まりました。
前社長には5年間会長として残ってもらい再生に協力いただきました。その後、前社長の二男が他業種から転職してグループの基幹会社に入社し、現在では取締役を務めています。